ECサイトやネットショップを開業している、もしくはこれから始める個人事業主の方にとって、「在庫」をどこに預けておくかという点は大きな悩みの一つです。また、はじめは在庫を家に置いていても、プライベートな空間が圧迫されてしまい、お困りの方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事ではEC・ネットショップの在庫管理がしやすいトランクルームを4社紹介します。トランクルームの利用を検討していた方はご参考ください。
トランクルームで商品・在庫を保管する際、重要な3つのポイント
トランクルームで商品・在庫を保管する際、以下3つのポイントが重要となります。
- 空調設備の有無
- セキュリティ
- 盗難・破損時の補償
それぞれについて詳しく解説していきます。
空調設備の有無
トランクルームで商品の在庫を管理するにあたり、重要視しておきたいのはトランクルーム内の「温度」と「湿度」です。これは、空気中のカビによる被害や、温度変化による変形の恐れがあるためです。
仮に家の中で保管して問題が無かったとしても、通常、住宅は人が暮らしやすい温度・湿度になるようエアコンを入れたり、適切なタイミングで換気が行われます。人が住んでいるというだけで、自然と荷物にとっても適切な環境になっていることは多いものです。
一方、トランクルームでの人の出入りは、荷物の預け入れ・取り出しのタイミングになります。そのため、空調設備が乏しいトランクルームだとカビの被害にあってしまう可能性があると言えます。
セキュリティ
もう一つ、注意しておきたいのはトランクルームの「セキュリティ」です。トランクルームを提供する運営会社によって、セキュリティの厚さが異なります。
例えば、トランクルームごとの施錠しか行っておらず建物内には誰でも入れるサービスがある一方で、アルソックなどの警備会社と契約しておりカードキーが無いと建物内にすら入れないケースもあります。
セキュリティの低いトランクルームだと、居住目的などで利用する事例も見られています。ほとんどのトランクルームでは居住目的で利用することを禁じていますが、セキュリティの甘いサービスの場合には安い賃料に惹かれ、居住する方も実際にいるようです。(※参照:日刊SPA「年収100万円台の衝撃。トランクルーム1畳半に住む40代に聞いた」)
サービス事業者ごとの防犯意識の違いによって、商品の盗難などのトラブルに発展してしまうリスクの違いが生まれています。このようなリスクを避けるためにも、トランクルームのセキュリティは重視しておきたいポイントと言えます。
盗難・破損時の補償
また、トランクルームによっては盗難や破損などのトラブルがあった際に補償をつけていることがあります。この補償は任意で加入できるケースと、あらかじめ利用料金に含まれているケースがあります。
高価な商品を取り扱うのであれば、このような補償に加入しておくこともリスクヘッジとなるでしょう。
サービスの厚さと料金は反比例する
「温度・湿度の設備があり、セキュリティが高く補償の厚いトランクルームを選べば良いのか」と考えることもできますが、ここで注意しておきたいのは、トランクルームのサービスの厚さと料金は反比例するということです。
トランクルームの空調が完備されており、セキュリティが高く、補償内容が厚いほど、運営会社のコストは高まっていきます。そのため、月々の料金も高くなってしまうのです。
EC・ネットショップを事業で行う以上、経費をできるだけ抑え、利益を確保しておくことも重要なポイントと言えるでしょう。月々の売上金の中からどれだけトランクルームに予算を割けるのか、商品の毀損リスク・盗難リスクと経費のバランスを取りながら慎重に検討することが大切です。
これらの点を踏まえ、以下ではおすすめのトランクルームサービスを紹介していきます。サービスの厚さや料金ごとに比較して紹介しているのでご参考ください。
【空調・セキュリティ完備】EC・ネットショップの在庫管理におすすめのトランクルーム
空調・セキュリティ対策を24時間完備としている、EC・ネットショップの在庫管理におすすめのトランクルームをご紹介します。
キュラーズ
キュラーズは2001年の創業以来20年にわたり18万人以上の利用者がいる国内最大級のトランクルームサービスです。無人管理のトランクルームサービスが多い中、店舗には収納コンシェルジュが常駐しており、非常に高いセキュリティが特徴です。なお、トランクルームサービスとしてスタッフが常駐しているのは国内唯一です。
また、キュラーズでは、建物1棟をまるごと、トランクルームとして運営しており、どの部屋も一定の品質を保った管理がなされている点が特徴的です。独自の空調システムとセンサーが24時間、館内の温度・湿度を適正に管理しています。
建物がすべてキュラーズのサービスに利用されていることでセキュリティも他社より高く、大切な荷物を預ける場合にも適しています。駐車場が無料完備されており、スムーズに荷物を搬入できる点も大きな特徴です。(※八丁堀店除く)
ハローストレージ
ハローストレージは全国に1,981物件・97,011室を展開するトランクルームサービスです。(2021年9月時点)最短3分でWEB・電話で申し込むことが可能で、「家庭用」「企業用」のどちらの用途でも利用することができます。
24時間利用可能な屋内型のトランクルームの利用が可能で、24時間の空調完備・セキュリティ対策がなされています。大切な荷物を預ける際にも検討しやすいサービスとなります。
また、業界大手であるため、北海道から九州まで、全国に非常に多くのトランクルームの倉庫が用意されています。他社では需要の見込みやすい都心部が中心になっていることがありますが、ハローストレージでは積極的に投資家から資金を集め、大規模なトランクルームのエリア展開が行われています。
【空調なし】EC・ネットショップの在庫管理におすすめのトランクルーム
次に屋内型トランクルームで空調設備が無いトランクルームサービスについてもみて行きましょう。
加瀬のレンタルボックス
加瀬のレンタルボックスは北海道から九州まで広範囲にサービスを展開するトランクルームサービスです。加瀬のレンタルボックスは「荷物を預ける」という部分にフォーカスしたサービス内容となっており、オプションサービスが少ない分、他社よりも料金が安くなっています。
例えば、加瀬のレンタルボックスでは24時間の空調管理を行っていない施設もあり、このような施設の料金は他社と比較して安くなっているのが特徴です。
その他、加瀬のレンタルボックスは割引キャンペーンを定期的に行っており、このようなサービスを利用することでさらにお得に利用することができます。
例えば、2021年9月時点で行っているキャンペーンとして、使用料から最大1年間半額となっています。また、このキャンペーン適用条件から最低利用期間が無くなっており、半額期間を終えた段階での解約も可能となっています。
【屋外型コンテナ】EC・ネットショップの在庫管理におすすめのトランクルーム
最後に、屋外に配置されているコンテナタイプの屋外型トランクルームサービスについてもみて行きましょう。屋内型と比較して料金は非常に安くなりますが、屋外に配置されているため温度・湿度の変化が激しく、車での利用が主となるデメリットがあります。
スペースプラス
スペースプラスは全国450拠点以上、屋外型・屋内型の両方を取り扱うトランクルームサービスです。月額2520円~の格安価格で利用できるのが特徴で、広範囲で利用できることから全国規模で人気のあるサービスとなっています。
また、料金設定もある程度の幅がありつつも明瞭となっています。他のトランクルームサービスでは店舗ごとに大きな差が生まれることも珍しくありませんが、スペースプラスは大規模に拡大していることで、料金設定も明確です。
なお、スペースプラスの料金設定には、盗難補償などは付属していません。希望する場合には自身で加入する必要があります。
まとめ
EC・ネットショップの在庫管理に利用するトランクルームを選ぶ際は、温度・湿度の管理、セキュリティ、盗難や破損時の補償内容などが、重要なポイントとなります。
しかし、サービスの厚いトランクルームは料金が高くなってしまうため、預ける荷物の単価や月々の見込み売上などから、トランクルームにかけられる経費や予算組みをしてみると良いでしょう。
本記事では、サービスの厚さと料金の違いなどの視点で4社のトランクルームを比較しました。トランクルーム選びに悩んでいた方の参考となれば幸いです。